2020年度の「社会人向けAI・IoT組込み技術を大学で学ぶ講座」を以下の要領で開講します。
こんな方に
四国内の企業や行政にお勤めの方、情報技術関連の実務者、情報技術導入に関わる管理者、など
講座内容
AI+IoT組込みシステムの要素技術(画像処理・理解、知的システム、ディペンダブルシステム)の基礎を学びます。 コロナ対策として以下の科目をオンライン(無料)で実施します。
※ なお、できるかぎり2科目以上の受講をお願い致します。2科目以上の科目の修了者には、「AI+IoT組込み技術の基礎コースの修了認定証」をお渡しします。この修了認定証は、来年度以降に履修証明プログラムを受講するの際に、受講科目の免除や
受講料の減額などの特典となります。
開講科目
科目名 | 日程 |
AI基礎 | 2020年12月5日(土)9:00~16:00 2020年12月6日(日)9:00~16:00 |
画像処理基礎 | 2020年12月12日(土)9:00~16:00 2020年12月13日(日)9:00~16:00 |
組込みシステム開発基礎 | 2021年1月30日(土)9:00~16:00 2021年1月31日(日)9:00~16:00 |
講義概要
AI基礎
担当:二宮 崇
講座の概要:
近年,製造業やセキュリティ分野におけるIoTの導入が広まりをみせている.それに伴い,これまで人の目で行っていた様々な工程が自動化され,さらに取得したデータをエッジまたはクラウドで解析し自動的に学習する知的IoT環境が構築され始めている.本講義では,深層学習ツールであるPyTorchを用い,IoT環境においてリアルタイムに学習する深層学習の技術について学ぶ.
講義前半ではPythonコードを基に深層学習について学び,講義後半では,PCに深層学習ツールであるPyTorchをインストールし,実際に動作する深層学習器を作成することで,IoT環境における深層学習の技術を学ぶ.
実習機材: 演習用PC(WindowsまたはMacOSまたはUbuntu)が必要です.
教科書は使用せず,資料を配布する.参考書として,以下の本を紹介する.
岡谷貴之,深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ),講談社,2015.
新納浩幸,Chainer v2による実践深層学習,オーム社,2017.
斎藤康毅, ゼロから作るDeep Learning――Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装, オライリージャパン, 2016.
Guido van Rossum, Pythonチュートリアル 第3版, オライリージャパン, 2016.
講義の到達目標:
1. 深層学習のためのプログラミング環境を設定することができる.
2. Pythonプログラミング言語で簡単なプログラムを実装できる.
3. ニューラルネットワークの仕組みを説明できる.
4. ニューラルネットワークの学習を説明できる.
5. 誤差逆伝搬法,畳込みニューラルネットワークを説明できる.
6. PyTorchを用いて,ニューラルネットワークを実装し,学習,解析を行うことができる.
講義内容:
[1日目]
1. 導入と環境設定
この講義の目的について説明し,深層学習のためのプログラミング環境の構築を行う.
2. Pythonで学ぶ深層学習(1)
Pythonコードを基に深層学習について学ぶ.ニューラルネットワークの仕組み,活性化関数,推論について学ぶ.
3. Pythonプログラミング
講義で用いるPythonプログラミング言語について学ぶ.PythonとNumPyの基礎について学ぶ.
[2日目]
4. Pythonで学ぶ深層学習(2)
Pythonコードを基に深層学習について学ぶ.ニューラルネットワークの学習,損失関数,勾配法について学ぶ.
5. Pythonで学ぶ深層学習(3)
Pythonコードを基に深層学習について学ぶ.誤差逆伝搬法,計算グラフ,畳込みニューラルネットワークについて学ぶ.
6. PyTorch演習 (1)
PyTorchを用いた深層学習の演習を行う.PyTorchを用いて,ニューラルネットワークを実装し,学習,解析を行う.
画像処理基礎
担当:木下 浩二,一色 正晴
講座の概要:
一日目は,画像処理ライブラリOpenCVと機械学習ライブラリscikit-learnを使って,画像処理と特徴抽出,画像認識の基礎技術を学びます.二日目は,深層学習による画像認識(CNN)や物体検知(SSDやYOLO等)の原理を,深層学習用のフレームワークKerasによる演習を通して学びます.
※ 開発環境はGoogle Colaboratoryを使いますので,Gアカウントを予め取得しておいて下さい.
※ 可能であればPCを2台,もしくは,デュアルモニタ環境をご準備下さい.作業が楽に出来ます.
※ Chainer Tutorialの「2. Python入門」の「2.7 制御構文」までを事前に一読しておくと,当日のプログラムの理解がスムーズに進みます. https://tutorials.chainer.org/ja/02_Basics_of_Python.html
講義の到達目標:
1. 画像の前処理(コントラストの調整,ノイズ除去等)の原理を説明できる.
2. 画像を理解するための特徴(エッジや形状)を抽出する方法を説明できる.
3. 畳み込みニューラルネットワークによる画像識別の原理を説明できる.
4. 深層学習による物体検知(SSDかYOLO)の原理を説明できる.
5. Pythonの各種ライブラリ(OpenCV, scikit-learn, Kerasなど)を使って,画像の前処理,特徴抽出,画像の識別および物体検知のプログラムを実装できる.
講義内容:
[一日目]
1. イントロダクション:
# 事例紹介,デジタル画像の構造,OpenCVの基礎
2. 基本的な画像処理:
# 明るさ・コントラスト変換,畳み込みによる空間フィルタ(ぼかし,エッジ抽出)
3. 色変換と特定色領域の抽出:
# HSV, Lab 表色系,二値化,ラベリングと領域抽出
4. 手書き数字データセットMNISTを使った画像識別:
# 特徴量の抽出,SVM
[二日目]
1. CNNの原理(推論のみ,学習は扱わない):
# 畳み込み演算,プーリング,活性化関数
2. MNISTデータを使った深層学習による画像の識別と物体検知
# Keras を使った演習
組込みシステム開発基礎
担当:高橋 寛,王 森レイ,甲斐 博
講座の概要:
AI+IoT+組込みシステムで構成さるシステムを理解するために,組込みシステムを構築するために考えなければならない「ハードウェア」,「組込みソフトウェア」,「セキュリティ」,および「組込みソフトウェアの開発技術」などの基本事項を学ぶ.一日目は,コンピュータの仕組み,組込みソフトウェアの開発技術,暗号技術の基礎知識を座学で学びます.二日目で,TinkerCadの回路シミュレータツールを利用して,キッチンタイマーやDCモータ制御のハードウェア設計及びプログラミング演習を遠隔で行う.
講義の到達目標:
1. AI+IoT+組込みシステムで構成さるシステムの実例を述べることができる.
2. コンピュータやIoTシステムを俯瞰的に説明できる.
3. 組込みシステムについて説明できる.
4. コンピュータの仕組みを説明できる.
5. システムに関して説明できる.
6. コンピュータ,組込みシステムの技術の歴史的な進展を説明できる.
7. 組込みソフトウェアに関して説明できる.
8. 組込みソフトウェアの開発技術に関して説明できる.
講義内容:
① AI+IoT+組込みシステムで構成さるシステムの実例
② コンピュータやIoTシステム
③ 組込みシステムと組込みソフトウェア
④ 組込みソフトウェアの開発技術
⑤ IoTセキュリティ課題
⑥ 暗号技術
⑦ 組込みシステム開発演習(ハードウェア設計とプログラミング演習)
会場
オンライン (Zoomを予定しています)
受講料
無料
申込方法
愛媛大学 enPiT-Pro-Emb 事務局(enpitemb@cs.ehime-u.ac.jp)までご連絡ください。
申込みの際に、氏名、年齢、所属、連絡用メールアドレス、希望する科目名をお知らせください。(締切り2020年11月30日(月))